百人一首の恋の歌一覧|片思い・忍ぶ恋・待つ恋を比較
| 歌番号 | 初句 | 作者 | 恋の形 | 一言でいうと |
|---|---|---|---|---|
| 13番 | 百人一首13番「筑波嶺の」 | 陽成院 | 募る恋 | 小さな思いが深い恋へ変わっていく歌 |
| 14番 | 百人一首14番「陸奥の」 | 河原左大臣 | 乱れる恋 | 恋で心が乱れ始めた戸惑いを詠む歌 |
| 18番 | 百人一首18番「住の江の」 | 藤原敏行朝臣 | 夢の恋 | 夢でさえ人目を避けるように逢えない恋 |
| 19番 | 百人一首19番「難波潟」 | 伊勢 | 逢えない恋 | ほんの短い間も逢えない苦しさを詠む歌 |
| 20番 | 百人一首20番「わびぬれば」 | 元良親王 | 身を尽くす恋 | すべてを失っても逢いたいと願う激しい恋 |
| 21番 | 百人一首21番「今来むと」 | 素性法師 | 待つ恋 | 来ると言った人を夜明けまで待つ歌 |
| 25番 | 百人一首25番「名にし負はば」 | 三条右大臣 | 人目を忍ぶ恋 | 人に知られず逢う方法を求める歌 |
| 27番 | 百人一首27番「みかの原」 | 中納言兼輔 | まだ見ぬ恋 | まだ逢わない相手を恋しく思う歌 |
| 30番 | 百人一首30番「有明の」 | 壬生忠岑 | 別れの朝 | 逢瀬の別れから、明け方がつらくなった歌 |
| 38番 | 百人一首38番「忘らるる」 | 右近 | 忘れられる恋 | 自分よりも、誓いを破る相手を案じる歌 |
| 39番 | 百人一首39番「浅茅生の」 | 参議等 | 隠せない恋 | 忍んでもあふれ出る恋しさを詠む歌 |
| 40番 | 百人一首40番「しのぶれど」 | 平兼盛 | 忍ぶ恋 | 隠した恋が顔色に出てしまう歌 |
| 41番 | 百人一首41番「恋すてふ」 | 壬生忠見 | 噂になる恋 | ひそかに始めた恋が早くも人に知られる歌 |
| 42番 | 百人一首42番「契りきな」 | 清原元輔 | 破れた約束 | 変わらないと誓った恋の約束を思い出す歌 |
| 43番 | 百人一首43番「あひみての」 | 権中納言敦忠 | 逢ったあとの恋 | 一度逢ったあと、昔の恋しさが浅く思える歌 |
| 44番 | 百人一首44番「あふことの」 | 中納言朝忠 | 逢ったゆえの苦しみ | 逢うことを知ったからこそ苦しくなる歌 |
| 45番 | 百人一首45番「あはれとも」 | 謙徳公 | 孤独な恋 | 誰にも思いやってもらえない恋の孤独を詠む歌 |
| 46番 | 百人一首46番「由良のとを」 | 曽禰好忠 | 行方の知れない恋 | 恋の行方が分からない不安を舟に重ねる歌 |
| 48番 | 百人一首48番「風をいたみ」 | 源重之 | 片思い | 自分だけが砕けるように恋に苦しむ歌 |
| 49番 | 百人一首49番「みかきもり」 | 大中臣能宣朝臣 | 夜に燃える恋 | 夜は燃え、昼は消える火に恋心を重ねる歌 |
| 50番 | 百人一首50番「君がため」 | 藤原義孝 | 命が惜しくなる恋 | 恋によって、惜しくなかった命まで惜しくなる歌 |
| 51番 | 百人一首51番「かくとだに」 | 藤原実方朝臣 | 伝えられない恋 | 燃える思いを相手に知ってもらえない歌 |
| 52番 | 百人一首52番「明けぬれば」 | 藤原道信朝臣 | 後朝の恋 | 逢瀬のあとの夜明けを恨めしく思う歌 |
| 53番 | 百人一首53番「嘆きつつ」 | 右大将道綱母 | ひとり寝の恋 | ひとりで明かす夜の長さを詠む歌 |
| 54番 | 百人一首54番「忘れじの」 | 儀同三司母 | 約束を疑う恋 | 永遠の約束を信じきれない心を詠む歌 |
| 56番 | 百人一首56番「あらざらむ」 | 和泉式部 | 死を前にした恋 | この世の思い出にもう一度逢いたいと願う歌 |
| 58番 | 百人一首58番「有馬山」 | 大弐三位 | 忘れない恋 | 私はあなたを忘れないと返す歌 |
| 59番 | 百人一首59番「やすらはで」 | 赤染衛門 | 待ちぼうけの恋 | 来ない人を待ち、月が傾くまで起きていた歌 |
| 63番 | 百人一首63番「今はただ」 | 左京大夫道雅 | 別れの恋 | 諦めるしかないことを、人づてでなく伝えたい歌 |
| 65番 | 百人一首65番「恨みわび」 | 相模 | 涙と名誉の恋 | 涙で袖が乾かないほどの恋と名の悩みを詠む歌 |
| 67番 | 百人一首67番「春の夜の」 | 周防内侍 | 名を惜しむ恋 | 夢のような恋と評判への不安を詠む歌 |
| 72番 | 百人一首72番「音に聞く」 | 祐子内親王家紀伊 | 拒む恋 | 浮名に巻き込まれまいとする、強い返歌 |
| 74番 | 百人一首74番「うかりける」 | 源俊頼朝臣 | 冷たい相手への恋 | 相手のつれなさを山おろしに重ねる歌 |
| 77番 | 百人一首77番「瀬をはやみ」 | 崇徳院 | 再会を願う恋 | 離れても最後には逢いたいと願う歌 |
| 80番 | 百人一首80番「長からむ」 | 待賢門院堀河 | 朝の不安 | 相手の心が長く続くか分からず乱れる歌 |
| 88番 | 百人一首88番「難波江の」 | 皇嘉門院別当 | 一夜の恋 | 一夜の逢瀬のために恋い続けるのかと問う歌 |
| 89番 | 百人一首89番「玉の緒よ」 | 式子内親王 | 耐える恋 | 恋を忍ぶ力が弱る前に命よ絶えよと願う歌 |
| 90番 | 百人一首90番「見せばやな」 | 殷富門院大輔 | 涙の恋 | 涙で濡れた袖を見せたいほどの恋の嘆き |
| 92番 | 百人一首92番「わが袖は」 | 二条院讃岐 | 人知れぬ恋の涙 | 恋の涙で袖が乾かない歌 |
| 97番 | 百人一首97番「来ぬ人を」 | 権中納言定家 | 待つ恋 | 来ない人を待ち、身も焦がれるほど思う歌 |
初心者にまず読んでほしい百人一首の恋の歌5選
百人一首13番「筑波嶺の」|恋が少しずつ深くなる歌
筑波嶺の 峰より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
現代語訳:筑波山の峰から流れ落ちる水が深い淵になるように、私の恋心も積もり積もって深くなってしまいました。
百人一首40番「しのぶれど」|隠した恋が表情に出る歌
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は
ものや思ふと 人の問ふまで
現代語訳:隠していたのに、私の恋は顔色に出てしまったようです。人から「何か物思いをしているのですか」と聞かれるほどに。
百人一首43番「あひみての」|一度逢ったあとの恋を詠む歌
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
昔は物を 思はざりけり
現代語訳:あなたに逢ったあとの今の心に比べれば、逢う前の恋の悩みなど、何も思っていなかったのと同じでした。
百人一首77番「瀬をはやみ」|離れても再会を願う歌
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ
現代語訳:流れの速い川が岩にせき止められて二つに分かれても、最後にはまた一つになるように、私たちも別れてもいつか逢おうと思います。
百人一首97番「来ぬ人を」|待つ恋の苦しさを詠む歌
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
現代語訳:来ない人を待ちながら、松帆の浦の夕なぎに焼く藻塩のように、私は身も焦がれるほど恋い焦がれています。
片思い・忍ぶ恋・待つ恋で見る百人一首の恋歌

片思いの歌|相手に届かない思いが中心になる
忍ぶ恋の歌|隠しても表に出てしまう恋
待つ恋の歌|来ない人を待つ時間が長くなる
逢瀬の歌|幸せだけでは終わらない
失恋・別れの歌|約束や誓いが重く響く
拒む恋の歌|誘いに流されない強さを読む
百人一首の恋の歌はなぜ自然描写が多いのか
恋の歌に出てくる「袖」は何を表す?涙・噂・名誉の読み方

百人一首の恋の歌で覚えやすい一首はどれ?かるた初心者向けに紹介
- 「しのぶれど」=隠した恋が顔に出る、と覚えやすい
- 「あひみての」=逢ったあとに恋が深まる、と流れが分かりやすい
- 「瀬をはやみ」=川が分かれてもまた逢う、という映像で覚えやすい
- 「来ぬ人を」=来ない人を待って身も焦がれる、という語感が強い
- 「有明の」=別れの朝から、明け方がつらくなる歌として覚えやすい
恋の歌とあわせて読みたい百人一首のテーマ
百人一首の恋の歌についてよくある質問
百人一首の恋の歌はすべて悲恋ですか?
片思いの歌と逢瀬の歌はどう見分けますか?
「忍ぶ恋」と「待つ恋」はどう違いますか?
恋歌で「名」や「噂」が大事になるのはなぜですか?
百人一首の恋の歌は現代の恋愛にも通じますか?
大人が読むと面白い恋の歌はどれですか?
百人一首の恋の歌は音で味わうと余韻が深くなる
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まとめ:百人一首の恋の歌はどの歌から読めばよいか
- 百人一首の恋の歌は、片思い・忍ぶ恋・待つ恋・逢瀬・別れ・拒む恋に分けると理解しやすい
- 40番「しのぶれど」は、隠した恋が表情に出る忍ぶ恋の代表歌
- 43番「あひみての」は、逢ったあとの恋の重みを詠んだ歌
- 72番「音に聞く」は、浮名や軽い誘いに流されない強い返歌
- 97番「来ぬ人を」は、待つ恋の苦しさを藻塩の火に重ねた歌
参考文献
- 島津忠夫訳注『百人一首』角川ソフィア文庫
- 有吉保訳注『百人一首 全訳注』講談社学術文庫
- 久保田淳訳注『百人一首』岩波文庫
- 『新日本古典文学大系 古今和歌集』岩波書店
- 『新日本古典文学大系 新古今和歌集』岩波書店
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この記事を書いた人
運営者の杉本 洋平です。大学で日本文学を専攻し、卒業後も古典文学の一次資料や研究書を参照しながら独学を続けています。「作品名は知っているけれど中身がわからない」という入口の壁をなくしたくて、このサイトを立ち上げました。
大切にしていること
- まず全体像から:作品名だけで終わらず、内容・作者・時代・冒頭を最初に整理します。
- 初見でも読みやすく:古典文学が苦手な方でも入りやすいよう、難しい言い回しをできるだけ避けます。
- 作品ごとの違いを大切に:物語、随筆、日記、歌集、紀行文など、それぞれに合った切り口で説明します。
- 混同しやすい点を整理:作者・編者・撰者の違いや、成立時期、似た作品名などをできるだけわかりやすく区別します。
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